酵素ダイエットも魅力といえば「痩せやすい体質にしてくれる」こと。
体質を元から改善するためリバウンドもしにくく、便秘の原因にもなる腸内環境を改善してくれるので、美容効果にも期待できるという、まさに「美味しいダイエット方法」です。
しかし、酵素ダイエットは「酵素を飲めば痩せる」という単純なものではありません。そう難しいことがあるわけでもないのですが、人によっては酵素パワーを過信してしまったり、勘違いからダイエットを挫折してしまうこともあるんです。
酵素ダイエットにおける注意点・外せないポイントをしっかり押さえて、リバンウンド知らずの身体を手に入れましょう。
酵素ダイエットといえば、ファスティングダイエットと置換えダイエットの2種類がメジャー。
ファスティングは断食を意味する言葉で、文字通り酵素と水分以外の食を断つダイエット法です。
週末にデートがある!2週間後に結婚式がある!といった、差し迫った目標に向けて本格的に痩せたい人向け。短期集中なので、目移りすることなく目標へ全力スパートできるのが特徴。
ただし、いきなり食を断ってしまうと内臓の負担がかかってしまうので、少しずつ食事量を減らす「準備期間」が必要となります。
また、断食が終わった後にも「復食期間」といって内臓に負担のかからないように少しずつ時間をかけながら食事量を元に戻していく必要があります。
準備期間・断食期間・復食期間は、それぞれ同じ時間を要すると言われています。もし3日間の断食を行うのであれば、準備期間も復食期間もそれぞれ3日間必要。つまりトータルで9日間かけて行うのが理想的。
準備期間・復食期間は断食中でないといっても好きなものを食べていいわけではなく、肉・乳製品・甘いものは控えて質素な食事を心がけましょう。とくに、断食後の最初の食事は重湯(お粥の上澄み)や具なしのお味噌汁が良いとされています。
また、復食期間中は満腹までは食べないこと。腹八分目ですら食べすぎと言われるくらいです。物足りないくらいの食事量を、よく噛んで食べることがリバウンド回避の鉄則なのです。実は、この復食期間中の食事の仕方によって、ファスティングダイエットの成功・失敗の明暗が別れるといっても過言ではありません。
空っぽの身体にいきなり普段通りの食生活を開始してしまうと、身体はいつも以上の栄養を蓄えようとフルで働きだすので、リバウンドしやすくなります。
せっかく辛い思いまでして断食をしてるのに、リバウンドするなんてイヤですよね。ファスティングにおいては、断食後の食事もキモとなることもお忘れなく。
ファスティングダイエットはちょっと厳しいという人には置換えダイエットがおすすめ。
置換えダイエットは、1日3食のうち1〜2食を酵素ドリンクに置換えて行うダイエット方法。普段通りの食生活に近く、無理なく余裕をもってダイエットしたい人向け。
置換えといっても、酵素のパワーに甘んじて好きなものばかり食べていてはNG。カツ丼・ステーキなど、高カロリーなものは極力控えて。
置換えダイエット中は、なるべくカロリーの低いものを選ぶのがダイエット成功への近道です。なかでも、酵素の多い生野菜・果物・発酵食品を意識的に取ることで、体内酵素の消費を抑えて燃焼するカロリーを増やすことができますよ。
置換えダイエットを行うなら、最低2週間は続けたいところ。3ヶ月程度を継続することで、より痩せやすい体質へと変化していきます。
置換えするタイミングは、朝・昼・夜のいずれでも構いませんが、カロリーが高くなりがちな夜が一番効果的。しかし、置換えダイエットに慣れないうちは朝だけにしておいたほうが、継続しやすいかもしれません。
2タイプの酵素ダイエットの大まかな内容を把握したうえで、次はダイエット中、とくに注意すべきポイントについてお話ししていきます。ファスティングダイエット・置換えダイエット、どちらにも共通することなので、ぜひ目を通しておいてくださいね。
好転反応とは、体内の毒素や老廃物が体外へ排出することで起きる現象。頭痛・めまい・下痢・便秘・吹き出物など、症状の出かたは人それぞれ。
酵素ダイエットを始めて1〜2日目に好転反応が起きやすく「自分には合わない」と誤解し挫折する人も多いです。
しかし、好転反応が起きるのは決して悪いものではありません。ストレスやそれまでの食生活によって、それまで重労働を課せられてきた内臓たちが、酵素のパワーによって毒素を吐き出しているのです。
好転反応は強くでるほど、デトックスの効果は高いと言われており、毒素が出切ってしまえば好転反応は治ります。
好転反応中は、無理をせず横になるなど休んで様子を見ましょう。あまりにひどい場合は、断食を中止してください。
とくにファスティングダイエット中は、固形物を口にしないため便秘になりやすい特徴があります。脱水症状を引き起こす可能性もあるので、ダイエット期間中は水分補給を意識して行うようにしましょう。
水分ならなんでもいいというわけではありません。カフェインの含んだコーヒーやお茶は避け、できれば水か、カフェインレスのハーブティー・ルイボスティー等を飲むようにしましょう。
ダイエット中は、1日1.5〜2リットル程度は飲みたいところ。あらかじめペットボトルで用意しておくと、摂取量がわかりやすいです。かといって、ガブガブ集中して飲んでしまうのもNG。腎臓に負担をかけますし、最悪の場合には「水中毒」を起こしてしまうことも。30分にコップ1杯を消費するイメージで、こまめに摂取しましょう。
もし、冷えが気になるようなら、白湯(さゆ)がおすすめ。ぬるめの温度でも飲むことで、内臓機能が温まり血の巡りがよくなります。
以外と見落としがちなのが塩分不足。ファスティングダイエットはとくに塩分不足になりやすい傾向にあります。
塩分が不足してしまうと、体内の消化液の分泌も低下してしまうため、せっかくの栄養を吸収しにくくしてしまいます。不足すると、めまい・ふらつき・脱力感などの症状が表れやすくなります。
夏は汗をかきやすく、体内の塩分も排出されやすいので、積極的に塩を舐める・梅干しを食べるなどしましょう。また、カリウムの多い食事も塩分の排出を促します。
夜型の生活をしていると、本来寝ている間に作られるはずの成長ホルモンがしっかりと分泌することができなくなってしまいます。
成長ホルモンが減少してしまうと、体内の脂肪分解がスムーズに行われず、内臓脂肪が蓄積されやすくなります。また、疲れが取りにくくなり、肌の修復・再生も行われにくくなるため、実年齢より老けてみられてしまうことも。
成長ホルモンの分泌で欠かせないのが体内酵素。体内酵素が不足しがちで、夜更かしをしていては、成長ホルモンの分泌もままなりません。
さらに夜型生活は食欲を抑えるレプチンというホルモンが働きにくく、夜型生活じゃない人に比べて、食べ過ぎてしまう傾向にあるんです。
深夜番組やスマホでついつい夜更かししてしまう人は、酵素ダイエットを成功させるためにも夜型の生活を改めてくださいね。
酵素ダイエット中はタバコやアルコールは極力控えてください。なぜなら、タバコやアルコールは摂取するだけで体内酵素を大量に消費してしまいます。
酵素ダイエットにおいて、体内酵素のムダ遣いは厳禁。できることなら摂取しないが一番ですが、付き合いやどうしても嗜みたい時がありますよね。
そんな時は酵素ダイエット中であることを意識しながら、少量に止めましょう。アルコールの場合は、度数を含めにするか、水割りやジュースで割ってアルコール量を極力減らすようにして。
また、カフェインの摂取もやめておくのがベター。
カフェインには、体内酵素であるリパーゼを活性化させ、体内脂肪を燃えやすくさせる働きがあります。しかし、ファスティングダイエット中は、カフェインで血糖値があがりやすくなること、空っぽの胃が荒れやすくなるため、あまりおすすめはできません。
どうしても珈琲が飲みたくなったらデカフェのものを選ぶか、カフェインレスのお茶で我慢して。
太りにくい体質が手に入る酵素ダイエットですが、実はこのダイエットに不向きな人も存在しています。そんな悲しい人とは一体どんな人たちなのか。
糖尿病を抱える人が断食を行うと、低血糖を起こす危険性があります。また、ファスティング中の胃が空っぽの状態で、酵素ドリンクを飲むと血糖値があがってしまうため、普段から血糖値が高い人にも不向きといえるでしょう。
もし、どうしても酵素ダイエットを行いたいのであれば、事前に主治医に相談をし、無理のない範囲で行ってください。痩せたい気持ちがいくら強くても、それが原因で病気を引き起こしてしまっては意味がありません。
妊娠中はただでさえ太りやすくて、少しでも体重を落としたいと思いますよね。産後もすぐには体重が減らないので焦ってしまう新米ママも多いことでしょう。酵素ダイエットに頼りたい気持ちもわかりますが、妊娠中・授乳中においては置換えダイエット・ファスティングダイエットはNG。
効果が高い分、赤ちゃんへの栄養がおろそかになりがち。今は赤ちゃんの栄養を第一に考えて、卒乳後に酵素ダイエットに取り組みましょう。
ただし、3食の食事+酵素なら問題ナシ。むしろ、普段の食事に酵素を取り入れることで、その酵素がへその緒や母乳を通じて赤ちゃんへと送り届けられます。酵素はもちろん赤ちゃんにとっても栄養満点。母乳のなかにも酵素がたっぷり含まれているくらいです。
食前にプラスすることで、食物消化をサポートしてくれるので、太りにくい体質を手に入れられますよ。また、おやつ代わりに飲んだり、ヨーグルトにかけて食べるのも◎
もし、赤ちゃんことも考えて酵素を選ぶのなら、無添加な安心安全の酵素であることが絶対条件ですね。酵素ドリンクには糖分が入っており、むし歯への懸念から、赤ちゃんへ直接飲ませるのはあまりおすすめはしません。
実は生理中の人も酵素ダイエットには向きません。酵素を取り入れること自体は問題ないのですが、我慢を強いられる酵素ダイエット(とくにファスティング)は生理中のイライラ感をさらに加速させてしまい、精神的にもよくありません。
さらに、生理前の女性の身体では、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されているため、栄養や水分を溜め込みやすい身体になります。妊娠をサポートするホルモンとしても知られ、生理前に食欲が爆発しやすいのは妊娠して赤ちゃんの育つ環境を整えようとしているためなんです。
酵素ダイエットを始めるなら、生理後に行うほうがベスト。脂肪も燃焼されやすい時期でもあるので、運動も取り入れるとより効果のあるダイエットが期待できます。できることならスイミングやランニングなどの有酸素運動がおすすめ。
酵素ダイエットは、落ちた基礎代謝を高めて痩せやすい身体作りをサポートするダイエット法のため、もともと基礎代謝が高い10代〜20代前半の人では抜群のダイエット効果は表れにくいです。逆に言えば、基礎代謝が落ちてしまった人ほど、高い効果が期待できるというわけです。
基礎代謝とは何もしなくても消費されるエネルギー量(カロリー)のこと。
では、10代〜20代前半の人に向いたダイエット方法はなにかというと、やはり運動して余分なカロリーを消費すること、食べ過ぎないことが大事です。
また普段から食生活がままならない人にも酵素ダイエットはおすすめできません。置換えダイエットは1日3食を食べている人に通用するダイエット方法ですので、普段から1日1食以下のような食生活を行っている人にはあまり高い効果は期待できないでしょう。
常用的に食べない生活をしていると、1回の食事でなんとか栄養を蓄えようと身体が働くため、逆に太りやすくなることもあります。まずは1日3食をきっちり食べる生活から初めてみてはいかがでしょう?不健康な痩せ方をしていても、あまり美しいとはいえませんよ。
酵素ダイエットには本格的な断食であるファスティングダイエットと、長期的なプチ断食である置換えダイエットの2種類があり、それぞれに特徴があります。
さらに、どちらのダイエット法でも注意すべきポイントとしては
があげられます。ここを注意しておくだけで、ダイエット効果は大きく変わってくるので、ぜひ意識してあげて。
そして、残念ながら酵素ダイエットに向かない人もいます。
これらに当てはまる人は、酵素ダイエット以外のダイエット法を試すほうが効果は上がりやすいでしょう。
酵素ダイエット中は「無理をしすぎないこと」。この一言に尽きます。体調が良くない時のダイエットは成功しませんし、寝込んでしまっては意味がありません。
なるべく体調が良い時を選んで、酵素ダイエットに取り組みましょう。週末や連休にかけて行うほうが、集中して取り組むことができるため効果がでやすいですよ。